トップメッセージ

代表取締役社長 兼 C EO 岡村 恒一

日本が高度経済成長期にあった1971年に青森県青森市で水産加工品を扱う小さな会社として創業いたしました。今では世界7カ国に現地法人を持つグローバル企業へと成長し、2023年9月に東京証券取引所スタンダード市場に上場を果たし、2024年6月には上場後初の決算を迎えました。

近年の気候変動による海水温の上昇や温室効果ガスなどが影響し、「漁獲量の減少」がニュースとなっています。これまで、日本では大規模な養殖はできないというイメージがある中で、当社はデンマークで養殖事業を担う子会社のMusholm A/Sからノウハウを学び、ヨーロッパ型の大規模養殖を推進してきました。また、気候変動に起因するリスク対策として養殖場の分散化を進めており、北海道で試験養殖を開始するなど、現在青森県のみで展開している養殖事業を国内複数個所に分散しています。

私は、長期的な視野で着実に成長していくことを経営の基本姿勢としていますが、そのために財務と非財務両面の企業価値をともに高めていく必要があると考えています。財務面の企業価値向上では、2024年から「養殖」「国内加工」「海外加工」「海外卸売」という4つのセグメントごとに最高責任者を配置し、最高責任者一人が拠点に関わらずそのセグメントのすべてを管掌し責任を担うように組織改革を行いました。

一方、サステナビリティへの取り組みをはじめとする非財務面の企業価値向上では、当社が社会生活に欠かせない存在となる「事業のインフラ化」を進めることが重要と考えています。私は、当社が存在しなければ、それらを達成したり維持したりすることができない状態を「事業のインフラ化」として捉え、社会基盤としての存在感を強めることで、当社の企業価値が高まると考えています。

スタンダード市場への上場後は、株主や投資家の皆様との関係性強化も進めていく必要があります。特に大事だと考えているのは、企業としての正しい成長を果たし、実力を反映した正当な株価を維持して、株主・投資家の皆様の期待に応える経営を行うことです。今後、配当金の増額や株主優待など、皆様が魅力を感じる施策をしっかり展開していきたいと考えています。

当社の事業は、はたから見れば地味に映るかもしれません。しかし、私自身、オカムラ食品工業が派手さはないものの着実に成長する会社であることを志向しています。当社グループは、急激な成長や突出した利益の向上を求める経営を行わない代わりに、長期的な視野で社会になくてはならない存在として着実に成長していくことをビジョンとして持っている会社です。株主・投資家の皆様には、どうか長い目で当社の歩みを見守っていただき、共に歩むパートナーとして、末永くお付き合いいただけますようお願いいたします。