サーモン養殖のマメ知識

サーモン養殖の
これから

国内養殖業の近代化

日本の大規模サーモン養殖はまだまだ発展途上です。養殖先進国の技術やノウハウを取り入れながら、新しい持続可能で効率的な養殖のスタンダードを作って、日本の養殖業を進化させていくことが課題だと当社は考えています。

例えば日本が遅れをとっているものとして給餌方法があります。この課題を解決するため、日本サーモンファームは2022年にバージ船を利用した遠隔での給餌システムを国内で初めて導入しました。これにより、以下の効果が期待されます。

  • 作業員の安全確保、
    労働環境改善

    青森の冬の海は水温が5~7℃になる厳しい環境です。晴天ばかりでなく、大雪の日もあります。バージ船により悪天候下での船移動を回避できれば、作業環境の大きな改善に繋がります。

  • 多様な人材の参画

    給餌が室内でできる作業になりますので、養殖作業へ多様な人材の参画が容易になります。

  • 養殖魚の生育への好影響

    天候に左右されずに安定的な給餌が可能となり、生育への好影響が期待されます。

  • 養殖事業の効率化促進

    規模の経済(養殖量増大に伴う生産コスト削減)が働きやすく、競争力のある養殖に繋がります。

  • 給餌データの蓄積

    給餌ノウハウの見える化、非属人化が進めやすくなります。

日本人全てに
国産サーモンを

日本の食料自給率が低いことは皆さんご承知のとおりです。生食用サーモンについても、日本国内には年間10万㌧と言われる市場規模がありますが、そのかなりの部分を輸入に頼っています。食糧安全保障の面からも、長距離輸送に伴う二酸化炭素排出の観点からも、食糧自給率の向上が望まれる一方、その実現はまだ遠いというのが現実でした。
今後、当社が先頭に立って日本の養殖業を成長産業化させ、国産水産物の供給量を拡大させることで、日本人全てが国産サーモンを当たり前のように食すようになることを当社は目指しています。

養殖を通じた
循環型社会の実現

生物を育成する過程では多くの二酸化炭素の排出が伴います。排泄物も多く発生します。養殖量が拡大していくに伴い、これらの処理が不可避の課題として出てきます。この解決のキーワードはやはり「有効利用」「循環」であると当社は考えています。
当社の事業が起点となり、地域のなかでの「有効活用」「循環」を生み出していければと考えています。