サーモン養殖のマメ知識

サーモン養殖と
天気

サーモン養殖は自然のなかで行う事業なだけに、日々の天気には色々影響を受けることになります。

海が荒れると
給餌ができない

海面生簀への給餌において苦労するのは、何と言っても天気です。
青森県今別町にある日本サーモンファーム(当社子会社)の海面生簀は、沖合1~2㎞の位置にあります。船で20分ほどかかります。青森で養殖を開始した当初は、船で生簀まで行き、手で餌を撒いていました。2019年からは機械で餌を撒く自動給餌を導入したので手で撒くことはなくなりましたが、それでも生簀まで餌を運んで機械を操作する作業は毎日の作業として発生していました。そのため、海が荒れて生簀まで行けないとなると、給餌ができなくなります。

バージ船による遠隔給餌で問題解決

天候に左右されやすい給餌の問題点を克服する方法として、バージ船を用いた遠隔給餌という方法があります。バージ船には約2週間分の餌が貯蔵できるため、餌の補給は天気の良い日にまとめて行うことができます。給餌も遠隔操作でできます。
日本サーモンファームでも、2022年にバージ船を利用した遠隔での自動給餌を日本で初めて導入しました。養殖先進国であるデンマーク子会社ではすでにバージ船を導入済でしたので、その知見を活用していく予定です。

海が荒れると
水揚げができない

海が荒れると水揚げもできません。日本もデンマークも、水揚げは限られた期間内で終わらせる必要がありますので、これも大きな問題です。例えば、デンマークの水揚げは10月から12月にかけて行われます。冬のデンマークは天気の悪い日が多く、しかも変わりやすいです。天気が悪くて海が荒れると水揚げ船が出せず、水揚げが行えません。期日までに水揚げを完了させられるよう、天気予報だけでなく、風向きや波の状況も独自に読みながらの水揚げ作業となります。