日々の小さなイノベーションが、将来を広げてくれる。

株式会社オカムラ食品工業

Okamura Trading Myanma 副工場長

T.Chiba 2010年 新卒入社

オカムラ食品工業史上、最年少の34歳で製造部長に就任したT.Chiba。目の前の難題をチャンスと捉えて挑戦してきたことが、自らの成長につながったといいます。成長を促すチャンスや仕組み、製造部のビジョンとは?

難題をチャンスと捉え挑むことで史上最年少の部長にキャリアアップ

私は入社7年目で工場長代理に就任し、当時の売上の約8割を生み出す青森第2工場の責任者となりました。マネジメント経験がなく大きなプレッシャーを感じましたが、チャンスと捉えて前向きに挑戦。毎日現場を確認しながら良い点と改善すべき点を探り、改善のためのアイデアを毎日のように試していきました。
また、当時は鮭鱒卵原料資源の枯渇化の影響で、いくらの供給が不安定になり始めていました。「自社養殖生産のデンマークトラウトサーモン卵を使って、安定供給できるいくら商材を開発できないか」という営業部長からの相談を受け、私は北欧サーモンいくらの開発にチャレンジしました。しかし、この卵は粒が小さく「技術面でも販売面でも難しい」というのが大半の意見。それでも私は、サンプル試食時に感じた「行ける!」という直感を信じ、諦めずに改良を重ねていきました。その結果、社長や上長から品質が評価され、他部署を巻き込んだ改善・開発の末に本販売が実現。営業部の努力のおかげで初年度に約3億円の年間売上を達成し、今では約10億円もの年間売上を誇る商品へと成長しました。
こうして目の前のチャンスに懸命に挑むことで、私は8年目には工場長兼製造部長代理、11年目には当社史上最年少で部長に昇進することができました。新しい事業が次々と生まれている当社には、成長やキャリアアップにつながるチャンスが非常に充実していると思います。

充実した人材育成の仕組みと改善の意志が確かな成長につながる

社員の成長を促す環境も整っています。もともと「人材育成には投資すべき」という考え方を持つ企業体質であるうえに、国際認証FSSC22000の運用にあたり教育訓練の計画遂行が必須となっています。近年では、動画で各部門の事業などを理解できるeラーニング「Smart Boarding」や、経営陣が推奨する書籍を無償で貸し出しする「オカムラの教科書」といった人材育成の仕組みも充実してきました。さらに、製造部ではHACCPや水処理などに関する社内外のセミナーにも定期的に参加し、各分野の知識を集中的に学べるようにしています。
振り返れば、私の成長を支えてくれたのは5S実践の理念「改善基本精神 十カ条」でした。青森事業部全体で約15年前から大切にしており、朝礼時に全員で唱和するなど日々意識してきた理念です。十カ条の一つに「改善は無限である」とありますが、技術開発などにおいてもう改善の余地がないと思うことでも、ふとしたきっかけにさらなる改善の道筋が見つかることがあります。「今のままで良い」という考えでは、成長のチャンスは失われていってしまいます。今後入社する皆さんには、日々の仕事に小さなイノベーションを起こし続けられる人になってほしいと願っています。

国内外の力を結集させて生産性の最大化を図り続ける

製造部が果たすべき役割は、食品安全衛生の担保を前提として、生産技術力や開発力を常に改善し、生産性の最大化を図り続けることです。今後は、生産能力の最大化やリスクヘッジを図るため工場の増設や機械化を推進していきます。また、養殖部門の思いを共有できる体制で、青森サーモンの加工量増に対応していきたいと考えています。
こうした役割やビジョンを果たすため、製造部は国内外の力を結集させています。その一つが、デンマークのグループ会社Musholmとの技術提携です。青森が知見を有するいくら製造についてデンマークに出張して技術指導を行ったり、青森に活かせる技術や設備についてデンマークから情報を得たりしています。また、水揚げシーズンには毎年1~2名の社員をデンマークに派遣しています。
もう一つ、工場で働いている外国人技能実習生やワーカーの力も欠かせません。日々の業務における指導・連携はもちろん、毎年恒例の5S活動キックオフ大会で懇親を図ったり、季節ごとにイベントを開催して実習生に花見・ねぶた祭りなどの日本文化を体験してもらったりと、より良い関係性の構築に努めています。

1日のスケジュール

8:00
出勤。
10:00
調味料のサプライヤーと商談。
11:00
稼働結果を確認し、原価・利益率についてチェック。
13:00
食品安全会議で商品の安全性について協議。
14:00
生産技術面の試験結果を受け、PDCAを回すためにディベート。
15:00
品質管理室と、食品安全にかかわる関係者会議。
16:00
社長や各部の部長・マネージャーが集まり幹部ミーティング。
17:30
業務日報報告をまとめて退勤。