若くして東京事業本部の本部長として活躍しているS.Hayama。中途入社後、営業のノウハウがない時代にゼロから新規顧客の開拓に挑んだといいます。キャリアアップで広がるやりがいや、営業部の役割・ビジョンとは?

海外での原料調達から国内営業までキャリアアップで世界が広がった
私は東京事業本部の本部長として、東京本社の国内営業、海外での加工及び販売、原料の開拓・買い付け、子会社の日本サーモンファームから委託されている青森サーモンの販売など幅広い事業を管理しています。
本部長に着任して感じたのは、活躍できるフィールドや協力し合う仲間が増えていく面白さ。日本の水産業界を変える養殖事業から加工・販売の海外展開まで、あるいは海外での買い付けから国内の営業まで、一人の営業担当者ではなかなか関われないさまざまな業務に、多くの人々と一緒に考えながら挑戦できるのは非常に楽しいものです。また、経営者と直に話す機会が増え、その判断や考え方に触れられることも貴重な経験だと思っています。
私は日頃から海外を飛び回っています。味やにおいといった食品の品質は、オンライン会議のモニター越しではどうしても伝わりません。そのため、コロナ禍前は毎月ベトナムに出張して加工に立ち合っていました。最近は品質面などを監視する現地人スタッフを雇うことで加工立ち合いの機会を減らしていますが、その分、トルコや北欧での原料調達に注力するようになりました。原料の買い付けは、価格・数量・品質が決まってしまう食品販売の肝。現地で価格面などを交渉しつつ、鮮度の劣る魚から加工していないか、温度管理や衛生面に問題がないかなどを自ら確認して調達しています。

営業活動も、鮮魚の販売も、ノウハウがないなかでゼロから挑戦
振り返れば、私が入社した頃は、東京本社が「自社で水産品を販売しよう」と方向転換を図っていた時期でした。営業のノウハウはなく、ほぼゼロからのスタート。数人の後輩社員とともに食品業界誌の掲載企業すべてに電話を掛けるなど、新規顧客の獲得に努めました。また、当時は部署の区切りがなく、私自身が製造・品質管理・貿易業務なども幅広く見る必要がありました。この頃、自由にさまざまなチャレンジをさせてもらえたおかげで、知識の幅や視野を大きく広げることができました。
その後もチャレンジの機会は数多くありました。印象的なのは、2018年に日本サーモンファームの青森サーモン販売業務が東京営業部に委託され、私がプロジェクトリーダーに抜擢された時のこと。それまでは冷凍の加工品しか取り扱っていなかったため、鮮魚を販売するノウハウはありませんでした。活動の時間帯が180度異なる市場と取り引きする上に、水揚げしてみなければどれくらい獲れるかが分からず、その日に売り切らなければなりません。値決め・物流・荷割・顧客・加工などすべてが従来と異なるなかでトライアル・アンド・エラーを繰り返し、今では年間1600tに及ぶ大きな取り引きへと成長した事業の土台を作ることができました。こうした数々のチャレンジこそが私を成長させてくれ、その後のキャリア形成につながったのだと思います。

伸びしろが大きい海外で販売強化
その鍵は、一人ひとりの成長にある
オカムラ食品工業では、営業・製造・養殖の3部門が密に連携することで円滑な出荷と販売を実現しています。なかでも営業部の役割は、販売を伸ばすことにあります。日本国内はもちろんですが、伸びしろが大きいのは断然海外。今後は世界中に子会社を立ち上げ、日本で経験を積んだ営業担当者に駐在してもらい、世界中の人々に当社製品を食べてもらいたいと考えています。
そのためには、社員一人ひとりの英語力が必須です。私自身、約1年半で630点から850点へとTOEICの点数を上げました。若手社員たちにも、TOEIC奨励金制度を活用しながらぜひ英語力向上に取り組んでほしいと思っています。
営業部では、若手の育成にも力を入れています。多様な業務や海外駐在など成長の機会はたくさんあります。目の前の業務に向き合うなかで一歩ずつ成長し、お客様や社内の信頼を積み重ねていき、ゆくゆくは新たな事業をゼロから作るようなチャレンジをしてほしいと願っています。
私は常々、気遣いと素直さが大切だと若手社員に伝えています。本部長という立場上、上の立場の方々と接する機会が多いですが、そもそも水産業界は年齢層が高い世界。今まで目上の方々にかわいがってもらうことができたのは、商売を意識せずに一緒に釣りや食事、スポーツ観戦などを楽しみ、自然に信頼関係を築くことができたからだと思います。自社の利益にならなくても相手に喜んでいただこうとする姿勢、メリットばかりでなくデメリットまで正直にお伝えする姿勢にこそ、お客様は信頼してくださいます。気遣いや素直さを持ち、自ら挑戦していける新しい仲間との出会いを楽しみにしています。
1日のスケジュール
- 10:00
- ベトナム子会社とオンライン会議。
- 11:00
- 商談のために外出。
- 15:00
- 帰社後、営業部内ミーティング。
- 16:00
- 試食会で、開発中の製品の味を検討。
- 17:30
- 北欧のサプライヤーとオンライン会議。
- 18:30
- 予算分析などデスクワーク。
- 19:30
- 退勤。